愛の逃避行シリーズ6(遠距離電話リバポ編)今回
みーはーFUTBOLかっぱ様とのコラボです
料理が好きなアロンソ王子は、つい先日やってきたばかりのチームメイトに手料理をご馳走することにした。
前日買い込んだ好物の手長エビはパエリアに使うことに決めた。
録画した料理番組を休みのときに見返してまとめていたレシピをめくり、パエリアのページを開いてさっそくとりかかる。並行してピルピルをつくりはじめる。こちらのレシピは頭の中にある。
ついでに招待したカタルーニャの男だが、どこから見つけたのかナフキンを襟元にひっかけてこちらをしきりに見ているばかりで手伝う気配はない。とにかく料理は一切しないのがポリシーらしい。何度も家に来ているのでどこにグラスがあって皿があるのかぐらいはわかっているはずなのでそのくらいは、と思ったが、まぁいつも美味しそうに食べてくれるので大目に見よう。
それに、セラデスがあいつの分まで働いてくれているので、問題はない。彼にはデザートにおまけをつけてあげよう。
「お待たせ」
取り分けた料理を見ながら、モロ-今日の主賓-もルイガルも「うまそうだな〜」と目を輝かせた。
モロが料理を口に運ぼうとした瞬間、まるで見計らったかのように彼の携帯が鳴った。
こちらをちょっとすまなそうに見てから、電話に出る。長くなりそうな相手なのかな、とふと王子は思った。
「え、今?アロンソの家だけど・・え、ごはんを。今、目の前。うん。え、代わるの?」
不意に自分の目の前にその携帯が差し出された。
「え、なに。」
”ラウール” と声に出さずモロはそう答えた。
コルクを引き抜いていた途中の白ワインのビンをルイガルにあずけ、その携帯を受け取る。何で俺に。心当たりが何もないんだけど。
「あ、おひさしぶりで・・」
「アロンソ?元気にしてた?今モロにご馳走作ってるんだって?いろいろ面倒見てくれてるみたいで、モロをよろしくね。モロね、胃腸が弱いから、環境かわりはじめ、特にそうなんだ。胃腸炎とかで欠場しないように注意してやってよ。頼んだからね...あ、お前、手長エビ好きだったよな、火ちゃんと通してる?お前たまにそういうので休んでただろ、試合。とにかく気をつけて。それとさ...」
聞いているうちに眩暈を覚え電話の向こうの声が遠くなっていくような錯覚に陥った。
スープを温めなおそうかというくらいさんざん長いこと楽しげに話していたモロが、はたとこちらに気がついてすまなさそうな顔をして携帯をポケットにしまう。そんなモロの姿を見ながら、王子は脱力感とちょっとしたプレッシャーを感じるのであった。(終)
・・・それぞれのファンの方すみませぬ。
王子が料理好きっていうのでなんかネタを考えたら、モリオとルイガルに手料理を振舞ってて、そんなところにラウから電話ってシチュエーションをふとおもいついたので。。
王子の料理ネタは11月発売のWSDから妄想。手長エビは・・04ユーロのころ、MARCAでスペ代Q&Aがあったのでそこで答えているらしい。(foot情報)
ピルピルはバスク料理。ウルルンのサイトより。http://ururun.com/
かっぱさまどうもありがとうございました。セラちゃんはリバポの子にしてもらいたくて無理矢理参加させました。
いつものアホ文章と違って格調高くなった感じエヘヘ。(る〜)
愛の逃避行シリーズ